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2008年7月

2008年7月30日 (水)

子ども達だけは健全に育てたい

 カンボジアは祝日が多い国。ちなみに今年のカレンダーを見ると、なんと29日もある。1年のうち、約1ヶ月が祝日で、土・日の休日を加えると130日以上、つまり1年の3分の1がお休みだ。このほかにお正月やお盆などの前後も適当に休むので、一体いつ働いているのかと心配になるほどだ。日本にあるカンボジア大使館なども自国の祝日は閉館になるので、ビザ申請などで大使館に出向く前にチェックが必要だ。(日本の祝日も閉館する)

 このように書くとカンボジア人は怠け者?と思われるかもしれない。確かに日中は暑いのでお昼の休憩時間が長いが、その分朝早く出勤して帳尻を合わせている。私たちがカンボジアを訪れる時も昼間が多いので、その時間帯に休憩を取ってハンモックに揺られるカンボジア人を見て「カンボジアの人たちは勤勉ではない」と誤解する日本人が多い。一見怠け者に見えるが、意外に勤勉な一面もある。というより、働かないと食べていけないのが実態だ。公務員は給料が安いので暇さえあればバイクタクシーなどのアルバイトをして生活費を捻出しているし、農民も、涼しい早朝に畑に出る。

 一口にカンボジア人といっても色々だ。元祖カンボジア人、中華系カンボジア人、少数民族もいて、意外に多民族国家なのだ。イスラム教を信奉するチャム族や、ベトナム戦争時にカンボジアに住み着いたベトナム人もいて、元祖カンボジア人は半分ほどか。

 カンボジア経済を動かしているのが中華系カンボジア人(華僑)だ。ホテルやレストランオーナーの多くが中華系カンボジア人で、プノンペンなどの都市に住む。頭脳明晰で商売上手、資金力にものをいわせ次々に不動産を買占める。世の中資本主義だからどうしても有能な人たちに富が集中し、大多数のカンボジア人は貧しい生活を送る日々だ。

 カンボジア人の平均月収については正確な統計がないのでなんともいえないが、様々な情報を集約すると6、000円~8、000円位だろうか。中には1日1ドル(110円)で暮らすワーキングプアもいる。特に世界的な物価高騰で農村の暮らしは一段と厳しくなり、中には土地や財産(牛など)を売って都市に流入する人たちが後を絶たない。

 私たち外国のNGOはこうした世界的うねりの中、どうしたら子ども達を貧困や病気から救うことができるのか、真剣に考えるべき時がきている。パートナーの政府機関も今ひとつ信用ならないのが現状。与えるだけの支援は意味がない。与えつつ教育支援するのが最適とは思うが。

         7月30日      代 表    根 岸 恒 次

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2008年7月23日 (水)

命をつなぐ井戸を作って!

 「21世紀のカンボジアを支援する会」では水不足が深刻なカンボジアの小学校に井戸を寄贈する運動を続けているが、2003年3月に私が資金を提供して第1号機を作り、この6月にとうとう100号機が完成した。この間約5年、1年平均20基を作り寄贈した。井戸はカンボジア製手押しポンプ式で性能や耐久性に問題なく、5年前に作った井戸も、一度も修理することなく順調に稼動している。水量も豊富だ。

 井戸の価格は15万円、これは業者に支払う工事代金のほか、寄贈してくれた方のネームプレート作成費、本会現地事務所のガソリン代・人件費など諸経費の総額だ。井戸1基の代金(15万円)×100基=1、500万円という大金が日本中から寄せられ、カンボジアの子ども達や小学校の周辺で暮らす地域住民の生活に潤いを与えている。乳幼児が多いカンボジア、赤ちゃんのためにも井戸は欠かすことのできない必需品だ。

 カンボジアの年間降雨量は平均すれば日本とさほど変わりないが、降雨は雨季の8月~10月に集中する。水道のない農村地帯では、池を掘ったり屋根に降った雨水を水がめに貯めるなどして生活水を確保しているが、とても不衛生なので飲料水には向かない。井戸がある地域はなくもないが、土管を埋めた簡易井戸はとても不潔で不評だ。

 5年前、私が井戸を作り始めたきっかけは、たまたま訪問した農村の小学校で、子ども達が校庭にある池の水を飲んでいるのを目にしたからだ。先生に聞けば、家にも学校にも井戸がないので、皆がこの池で喉を潤しているという。体に良いわけがない。

 日本では、最近は水道の水さえ飲まず、ガソリンより高い値段でペットボトルの水を買って飲んでいる。この格差は何だろう。こんなことをしていたら、いつか日本は天罰を受けるのでは?ただ同然の水を使い放題の日本、それはそれとして天の恵み、でもこんなに豊富な水がある日本に住んでいることを感謝している日本人が何人いるだろう。

  持っているものを分かち合いたい。でも日本から水は運べない。なら日本で寄付を募り、それで井戸を作ってあげたいと思った。15人が1人1万円ずつ出し合えば井戸が1基完成する。(東京ではチョット高級なレストランで食事すれば、1~2万円が1時間で消えてしまう)この一つで数百人の子ども達、地域住民、乳幼児の命をつなぐことができるのだ。

 中国に「井戸の水を飲む者は井戸を掘ってくれた人のことを忘れてはいけない」という諺がある。カンボジアの人たちも、井戸を作ってくれた日本人ドナーさんのことは一生忘れないと言っている。水は命です。

              

           7月23日    代 表   根岸恒次

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2008年7月18日 (金)

大黒柱がチョット心配

 カンボジアの人たちとお付き合いを始めて13年になる。色々なことがあったが、カンボジア人は概して温厚だ。(切れると恐いが)まさしく微笑みのバイヨン四面像を建造したアンコール王朝の末裔だけあり、笑顔がとても似合う国民だ。特に日本人にはとてもフレンドリーで、悪く言う人はほとんどいない。それもそのはず、日本はカンボジアにとって最大の援助国だし、私達NGOの数も群を抜いているからだ。日本人に感謝、というよりお金を運んでくれる人に感謝!かも?

 笑顔の似合うカンボジア人もプライドを傷つけられた時は猛烈に怒る。『アンコールワットはタイのもの』とのタイ人女優の発言に民衆が激怒し、カンボジア国内のタイ大使館やタイ系工場、ホテル、レストランなどを襲撃したのは最近のことだ。 

 暴力はいけないがプライドを持つことはよいことだ。カンボジアはインドシナ半島のど真ん中に位置している関係で、両隣りのタイとベトナムとの領土争いが絶えなかった。最近も、タイとの国境にある『プレアビヒア』遺跡群が世界遺産に登録されたことで、それを認めたタイ政府の外務大臣が、民衆の抗議を受けて辞任する騒ぎがあったばかりだ。

 こうした事情もあってカンボジア人の団結力は悪くなかったが、冷戦のあおりを受けて始まった内戦、そしてポルポト政権による圧制で事態が一変した。日本の半分ほどの小さな国土で国民同士が争い、沢山の同胞が命を落とした。ポルポト政権下では二百万人ともいわれるカンボジア人が殺されたが、その爪あとは今もなお残る。『もしかしてあいつ、俺の家族を殺した元ポルポト兵士だったのでは?』そんな会話がレストランの隣りのテーブルで囁かれても不思議ではないのがカンボジア社会の負の一面だ。

 こうした事情の影響か、カンボジア人は噂をとても気にする。噂好きというと語弊があるが、事実を確認する前に行動に出てしまうことが時々あるようだ。有名人がからんだ暗殺事件などがよく起こるらしい。

 結局頼りになるのは家族(又は一族)ということでその絆は固く結ばれ、多くの家族が三世代同居し、貧しいながらも収入を分け合い助け合って生きている点、核家族社会の日本は大いに見習うべきだ。

 ただ一つ心配がある。家族の大黒柱であるお父さんは酒が大好き、女性も大好き、賭け事も大好きで、大きなトラブルに巻き込まれるケースも多々あるようだ。まあ、日本のお父さんも似たり寄ったりだが、カンボジアのお父さんほどではないかな?反対にお母さんはしっかり者だ。カンボジアの女性は貞淑(特に農村)で、化粧もせずよく働く。かといって内助の功ともいえず、どちらかといえば『かかあ天下』。カンボジアといえども日本と同じで繁華街にはちょっと怪しいカラオケバーあり、カジノあり、居酒屋あり。カンボジアのお父さん、家庭をしっかり守って!

           7月18日   代 表   根 岸 恒 次

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2008年7月11日 (金)

サッカー少年を育てよう

 カンボジアで盛んなスポーツといえば、まずはサッカー。ボールひとつあればいつ、どこでもできるスポーツなので、カンボジアに限らず世界でもっともポピュラーなスポーツといえる。

 本会では、数年前になるがカンボジアの首都プノンペン近郊の孤児院対抗少年サッカー大会を企画したことがある。八チームが参加し、優勝チームにトロフィーを差し上げたり、参加者に記念品を配った。そのときに感じたことだが、カンボジアの少年は思っていたより運動神経が発達しており、暇さえあればサッカーの練習をしているらしく、技術も結構ハイレベルだった。 

 もっと練習すれば将来ワールドカップも夢ではないと、国際サッカー連盟が毎月発表している『FIFAランキング』を覗いてみたら愕然とさせられた。世界199の国と地域が加盟しているが、カンボジアはなんと下から数えた方が早い176位。しかもカンボジアの下はグアムとか米領サモアとか、米領バージン諸島とかいう自治領ばかりで、名の知れた国はほとんどがカンボジアより上位だ。お隣のラオスが161位、あまりスポーツをしていなそうな軍政のミャンマーでさえ151位。(ちなみに日本は42位)

 そこで、サッカーに詳しいカンボジアの友人に現状を聞いたが、4年に1度のワールドカップ大会はいつも1次予選で負けているそうだ。空き地では子ども達があんなに練習しているのに、この世界との格差は一体なんだろうか。

 カンボジアの人達はサッカーが大好きだ。余談だがサッカーくじも盛んで、街角には売り子がたむろしている。しかし、くじよりもやはりスポーツとしてサッカーの強い国になってほしいと、いつからか思うようになった。『ブラジルだって最初から強かったわけではない、カンボジアだってその気になれば将来予選を突破して本戦出場も夢ではない。それにはまず練習、それも子ども達をしっかり指導することによって、将来国を代表する選手が育つのでは?』と考えるようになった。

 もう少し現場の実情を知りたいと思い、プノンペン市郊外のコンポンスプー県教育局に出向き、小・中学校のスポーツ担当者に会った。その説明では、サッカーに限らず種目別のスポーツ大会を学校対抗で年に1度開催しているというが、ほかには何もないらしい。

 カンボジアの子ども達には夢がある。医者になりたい、先生になりたい、サッカー選手になりたいと。しかし悲しいかな、その予算がない。空き地はあるがサッカー場がない。教えてくれる指導者もいない。ないないずくしの中、何とかこの国をサッカー大国にして子ども達が希望をもてるよう、協力してくれる人はいませんか?

                        2008年7月11日

      21世紀のカンボジアを支援する会  代表  根岸恒次

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