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2008年8月

2008年8月29日 (金)

子どもが増え校舎が足りません

 人口1、400万人のカンボジアだが、年間40万人弱の子どもが生まれる出産大国だ。1億2千万人強の日本でさえ、1年間で生まれる子どもは100万人チョットだから、日本の10分の1ほどのカンボジアの人口の増え方は尋常ではない。

  カンボジアには約7千の小学校があるが、そのうち約2千校は緊急に校舎を必要としているという。カンボジア政府教育省のコル・ペン大臣は「中学校以上は国が校舎を建てる方針だが、小学校については外国からの支援に頼っている」と、以前話しておられた。日本のODAやNGOの支援で約千校の校舎が建てられたそうだが、今後も一層需要が増していくものと思われる。

 カンボジアの小学校は、3教室と5教室の2つのタイプがある。建物基準もフンセン基準と教育省基準があり、教育省基準のほうがしっかりしているという。建物の構造はレンガ造りの平屋がほとんどで、床はコンクリートの打ちっぱなし、屋根はスレート張り、電気設備はない。鉄筋も使われるがとても細く本数も少ないので、マグニチュード7以上の大地震がカンボジアで発生したら、多分多くの校舎が跡形もなく崩壊してしまうだろう。幸い、カンボジア有史以来地震の記録がないそうだが、これからも絶対に発生しないという保証もない。ミャンマーを襲ったサイクロンのように、自然災害は時と場所を選ばずやってくるから油断は禁物だ。

 「21世紀のカンボジアを支援する会」では、この5年間にカンボジア各地に11の小・中学校校舎を建設した。現在も3棟建設中で、来年3月に開校式を行なう予定だ。これらの建設費用は、特定のドナーによる拠出が100%だ。当初は医師や会社社長からの寄贈が多かったが、最近の傾向として、亡くなられた方の遺言やその遺産で校舎を建ててくださる方が増えてきた。お金は天国に持っていけないのだから、亡くなった方の意思が反映しておれば、その善行は末代まで語り継がれることだろう。

 カンボジアに小学校の校舎を贈ろうと芸能人の島田紳介さんが企画し、賛同した有名人が提供した絵画のオークションをテレビで拝見、美空ひばりさんの絵が480万円で売れた。買ってくれた人も立派だが、天国のひばりさんは思いもよらぬ展開にビックリしておられるのでは

 勿論校舎を建てただけでカンボジアの教育事情が劇的に変わるわけではないが、改善のきっかけにはなろう。午前と午後の2部授業が1度になれば生徒の授業時間数も増し学力の向上につながる。あとはカンボジアの教育に携わる関係者の努力と、生徒達の学習意欲に期待するだけだ。

           8月29日    代 表   根 岸 恒 次

Mekon_3

 

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2008年8月19日 (火)

ボロは着てても心は錦

  8月2日、カンボジア北西部のウドミンチェイ県で行なわれた小学校の開校式に出席した。タイとの国境まであと7キロの所で、あの山の向こうはタイだと説明を受けた。有名な国連難民キャンプ「カオイダン」もすぐそこだ。

 ユネスコの世界遺産委員会が、岩手県の「平泉」の世界遺産への登録を見送ったが、カンボジアが申請していたヒンズー教寺院「プレアビヒア」は登録が決まった。カンボジアとしてはアンコール遺跡に次ぐ世界遺産誕生に歓迎ムード一色だが、タイとの国境にあるこの寺院は地形的にタイ側しか登れないことや国境に未画定部分があることから、タイ国内には今も自国の領有を主張する世論が根強く、紛争の火種になっている。竹島や尖閣諸島、北方領土と同じだ。

 ウドミンチェイ県の開校式が終了し、その夜はタイとの国境の町「ポイペト」のホテルに泊まった。カジノで有名な町で、カジノが禁止されているタイから、連日大勢の観光客が越境して訪れる。タイ人経営のホテルがほとんどで、ロビーはルーレットやスロットマシンでいっぱいだ。お金もバーツ(タイ貨幣)しか使えない。カンボジアでありながらカンボジアではない異様な町の雰囲気だ。

 タイとカンボジアの国力の差は歴然としている。越境してくるタイ人の多くがカジノ目的の観光客、反対にカンボジアからタイに越境するのは、出稼ぎに行く貧しいカンボジア人、リヤカーを牽いて荷物を運ぶ仕事をしている子ども達も大勢いた。

 道路もそう。タイ国内は日本と同じように舗装されているが、カンボジア領内のポイペトに入る途端に舗装が途切れ、雨季はドロンコ道だ。しかし私はそんなカンボジアが好きだ。日本人お得意の判官びいきかもしれない。貧しいけれどけなげに生きているカンボジアの人たち、中には悪い奴らもいるが、概ね笑顔が似合う人たち。国民性は実にアバウトだが、何となく憎めない。やせこけている牛を筆頭に、動物もやる気なさそうだ。犬はほえるのを聴いたことがない。マーケットに行けば耐え難い異臭。交通ルール無視のドライバーに行列の習慣がない若者たち。結構頭にくることの多い、そんなカンボジアだが、日本人が置き忘れてきた何かを持っている。私のカンボジア訪問は、その何かを見つける旅なのかもしれない。

         Mekon1_3 8月20日        代 表   根岸恒次

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