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2012年9月26日 (水)

日本の支援でカンボジアに民法が誕生

9月12日、カンボジア滞在中、本会のアドバイザーを務めるリー・ソン カンボジア国会議員に連れられ、小学校の校舎建設を希望する農村を訪ねた。

プノンペンから西へ車で約2時間半、リー・ソン議員の選挙区でもあるこの村で、多くの住民が議員の到着を待ち構えていた。土地問題である。

最近、外国(多分中国)の大企業が農民の土地をただ同然で奪ってしまうケースが多くあるそうで、住民たちはその実態を議員に訴え、解決を依頼していた。

カンボジアでは93年、新生カンボジア王国誕生後、初めて民間の土地所有が認められたが、登記が結構いい加減で、代々耕している土地にそのまま所有権が与えられた。しかし、今年の始めに日本の支援で民法が初めて制定されたことが裏目に出て、書面による登記のない土地は、頭のいい大企業が弁護士を雇い、善良な農民から土地を奪っているそうだ。

元々貧しいのに土地も奪われてしまったら、これから先食べていくことができない。住民たちは、議員に対し何とかして欲しいと真剣に懇願していた。

土地がなくなったら、行き先はタイへの苛酷な出稼ぎ労働が待っている。出稼ぎ労働者といっても、農民の殆どはパスポートを所持していないので、闇ルートによる不法な越境によるものだ。

数日後、里子の家庭を訪問したが、その子の両親も不法な出稼ぎ労働者としてタイへ渡っていると聞いた。仕送りは3ヶ月で20ドルのみ、捕まればお金は没収、身柄は刑務所行きだ。カンボジアの人の人権は一体どうなっているのだろうか。

カンボジアを訪問する度に、凄まじい経済成長を実感するのだが、果たしてその恩恵が地方の農民や、都市の貧しい住民に行き届いているものか、甚だ疑問である。

そんな中、先日NHKテレビ(衛星放送)で、貧しい農民のために活躍するカンボジア人弁護士の活躍が紹介されていた。折角日本の支援で完成した民法を大いに活用し、泣き寝入りする住民がいないように頑張っていた。

私たちNGO団体には限界がある。このようなカンボジア人が立ち上がり、国を良くしてほしいと願うとともに、私たちのささやかな教育支援で、カンボジアを背負っていく人材が多く輩出することを願うばかりだ。

2012年10月1日 根岸 恒次

Photo
牛の世話をするカンボジアの子どもたち

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コメント

こんなに痩せた牛を…
ブログを拝読して、豊かすぎる時代が続いていた日本は国民全員が考え直す時だと痛感しました。

投稿: mira-chan | 2012年9月26日 (水) 16時13分

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