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2012年11月

2012年11月12日 (月)

カンボジアのシアヌーク前国王が死去

 カンボジアのシアヌーク前国王が10月15日、病気のため滞在先の北京で死去した。89歳だった。表舞台から去って久しいものの、多くの国民が、「建国の父」の死去を悲しんだ。
 シアヌーク前国王は2004年、高齢を理由に退位し、その後がんであることを公表、最近は治療のため北京に滞在することが多かった。
 
 カンボジアの現代史は、シアヌーク前国王抜きに語ることはできないだろう。第2次世界大戦中、18歳で国王に。1953年には、宗主国フランスと交渉の末、完全独立を勝ち取った。
 しかし、70年に米国が糸を引いたクーデターで失脚、北京での亡命生活を皮切りに、ポルポト政権下での幽閉、80年の大統領就任、91年の国王への復位と、めまぐるしい時代を駆け抜けた。
 冷戦時代、米国や中国、ソ連などの大国の思惑にもてあそばれながらも、カンボジアという小国の独立を死守した信念と情熱と駆け引きのうまさには定評があった。
 
 シアヌーク前国王の最大の功績は、独立を勝ち取ったこともさることながら、91年、紛争4派による最高国民評議会の議長に就任し、内戦を収束させたことだろう。92年には、国連カンボジア暫定行政機構(UNTAC)の明石特別代表に協力し、初の総選挙実施にこぎつけた。
 
 カンボジアは今、発展途上にある。経済は右肩上がりの成長を続け、政治的にも、ASEANの新メンバーとして躍動している。今年はカンボジアがASEANの当番国になっており、今まさにカンボジアで会合が開かれていて、野田総理も拡大会合に出席の予定だという。
 新興国として成長しつつあるこの国の土台となってくれたシアヌーク前国王に、カンボジアの人たちは心から手を合わせ、感謝している。
 
 在日本カンボジア王国大使館(東京都港区赤坂)では、死去後3日間記帳場を設けて弔問を受け付けたので、私も弔問に出向き、大使に弔意を表した。
 シアヌーク前国王の業績を讃えるとともに、心からご冥福を祈るものである。

2012年11月15日  根岸恒次(法人理事長)

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在日カンボジア大使館に設けられた弔問所

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