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2013年4月24日 (水)

加速する外資の進出

 NHK(BS1)が「外資に沸くカンボジア」という番組を放送した。中々見応えある番組で、興味深く拝見した。

 放送によれば、過去10年間で約9000社の外資企業が、昨年1年間だけでも約1700社がカンボジアに進出したという。そのうち日系企業は約250社と意外に多い。縫製工場が80%を占める。

 外資企業の急速な増加の要因は中国の生産コストが上がっため。中国企業ですら海外へ移動せねば採算が合わなくなっているという。いまや中国は欧米並みの賃金だと、経営者は嘆く。

カンボジアも低賃金に甘んじているわけではない。国内法の最低賃金は月給61ドルだったのが、5月から80ドルにアップする。外資のカンボジア進出に影響する可能性も出てきた。労働組合は100ドルを要求しており、更なるアップも考えられる。今年の7月に実施される総選挙がらみで、暫くは流動的に推移するだろう。

それでもまだまだ売り手市場、最近は通勤の手間が省ける農村にも工場が建ち始め、労働者募集のチラシを持って労務担当者が村々を巡っているそうだ。

 労働環境は良いとはいえず、昨年は1600人が作業中に失神したという。原因は暑さと栄養不良。高賃金を求めて工場を転々とする労働者が増え、最近はストライキも発生している。

 外資の進出は大いに歓迎するべきだが、その数が多く急速であるため、国内の体勢が整っていない感がある。農村の住民には現金収入が得られる工場への就職は喜ばしいことではあるが、肝心の農業への影響がないかどうか、若年層の就職により教育崩壊が起こらないかどうか、不安要素がなくもない。

 都市化の波が押し寄せる農村を舞台に展開する我々のNGO活動、その方向を模索するべき時期にきているのかもしれない。

2013年5月1日                          根岸恒次(法人理事長)

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農村から縫製工場へ通勤するカンボジアの女性たち(写真提供=鈴木千雄様)

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