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2013年9月

2013年9月26日 (木)

どこへ行く、カンボジア!

  七月二十八日に実施された第五回目のカンボジア国会(下院)選挙は、百二十三議席中、与党(人民党)が六十八議席を取り、野党(救国党・五十五議席)を押さえ、向こう五年間、政権を担当することになった。九月二十四日に開かれた国会で、人民党のフン・セン氏が首相に再任された。

  しかし、野党側(救国党)は、選挙に不正があったとして、週末になるとプノンペン市内で大規模な抗議集会とデモ行進を続けている。九月十五日に行なわれた抗議集会では、群集が一部暴徒化し、市内の至る所に設置されたバリケードを壊して川に投げたり、警備の警察官に向かって投石するなどしたため、野党支持者の一人が警察官の発砲で亡くなり、多くの市民が負傷した模様だ。

  その後も抗議集会やデモ行進が週末に行なわれており、二十三日に召集された国会(下院)を野党がボイコット、カンボジアの政治情勢は混迷を深めている。

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【支持者らとプノンペン市内をデモ行進する野党・救国党のサム・レンシー党首(右)】

  シハモニ国王も黙っていなかった。政治には不介入の姿勢をとり続けてきた国王だったが、業を煮やして与党、野党双方の代表者を王宮に呼び、双方がよく話し合って解決するよう仲介に乗り出した。近年では稀なことである。

  このような事態はいずれ解消され、正常な国会運営がなされることを期待する。しかし、今回の選挙結果を受け、国民の政治への関心度が高まり、真の民主政治への方向が指し示された気もする。カンボジアの選挙権は十八歳から。五年後の下院選挙の結果、今は野党に甘んじている救国党が、政権を奪取する可能性がでてきた。

  九三年の民主選挙以降、ほぼ政治の中枢を担ってきた与党・人民党だが、経済成長した割りには国民の暮らしぶりは変わらず、反面、高級官僚や企業家に富が集中しており、その怒りにも似た抗議行動が、選挙結果に現れたのだろう。

  かといって、何ら経験を持たない野党が政権交代しても、日本の民主党の二の舞を演じることになろう。ここは五年間、じっくりと勉強してもらい、真の民主政治を標榜する政党として大きく成長してもらいたいと願う。

2013年10月5日 根岸恒次(法人理事長) 

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2013年9月24日 (火)

辺境の村に住む教育里子たちを訪問

  9月12日、コンポンスプー県 オラル郡の山中にあるエミ小学校(2003年3月開校)に通学する教育里子の家(4人)を訪問した。  エミ小学校までは時折り足を運ぶものの、子どもたちの家を訪問するのは、開校時に数軒の家を訪問して以来、2度目のことだ。

  エミ小学校は、今から10年前に武藤笑子さん(故人)が校舎を寄贈することにより開校した小学校で、プノンペンから車で4時間以上かかる辺境である。地雷は撤去されたが、蛇や猛獣が出没する密林の近くにある。隣りには中学校もできて500人以上の子どもたちが勉強している。

  エミ小学校には現在14人の教育里子がいて、
日本にいる教育里親さんから学資等の支援を受け元気に通学している。その中から、時間の都合で4人の子どもたちの家を訪問した。

  教育里子を選ぶ基準は、貧しい家庭にあって、かつ両親がいないか片親の子と限定しており、今回訪問したどの家も悲惨な環境の中で、電気も水道もガスもトイレもない、雨露を凌ぐだけの狭くて粗末な家に、親、兄弟ら数人が寄り添って暮らしていた。10前に訪問した時と全く変わっていない印象を受けた。
 この10年間、カンボジア経済は驚異的に成長を続けてきたが、あいにく辺鄙な農村はその恩恵に浴することができなかった訳だ。

  しかし、この村にはエミ小学校がある。10年前、校舎が建つまではには大きな木の下で勉強していた子どもたちも、今は卒業してカンボジアのどこかで働いていることだろう。そして今は、立派な校舎で多くの子どもたちが学んでいる。

  生活は苦しいが、明るい笑顔を絶やさず、けな気に生きている子どもたちに「将来の夢は?」と
聞けば「医者、先生になりたい」と答える。実現は難しいかもしれないが、夢を追いかけて生きることは素敵なことだ。

  天国にいる武藤笑子さんに「校舎を作ってくれたおかげで、この子たちは立派に成長していますよ」と天に向けてメールを打ってみた。

2013年9月25日 根岸恒次(法人理事長) 


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【教育里子のチン・カムソートちゃん(小学校2年生)と母親(うしろが自宅)】


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【教育里子のテウン・ゲットちゃん(小学校2年生、うしろが自宅)】

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2013年9月17日 (火)

湖に浮かぶ船上小学校を訪問

  カンボジアのほぼ中央にある、インドシナ半島最大の湖、トンレサップ湖。その周囲に100万人以上の水上生活者が暮らしているという。その集落の一つ、メイチュレイ村は湖の北にある。

 9月5日、國學院大學国際協力サークル~優志~の皆さん(36人)、本会里親会員の鈴木千雄さんと友人に同行し、同村の小学校(生徒数243人、先生9人)を訪問した。同小学校の訪問は7月に続き2度目だが、カンボジアは雨季に入り湖の水位が上昇したため、船の小学校は1キロメートルほど陸に近い場所に移動していた。大型船で牽引するらしい。

 國學院大學の皆さんは、7月に訪問した際に校長先生から要望のあった飲料水浄化用容器(25本)をプノンペン市内で購入、寄贈した。寄贈の後、狭い船の中で子どもたちと楽しく遊んだ。一部のプロジェクトチームは校長先生にインタビュー、船上で学ぶ苦労話を聞いた。
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【飲料水を寄贈した國學院大學の皆さんと子どもたち】

 小学校訪問後、2つの班に分かれて子どもたちの住む家を訪問、生活の様子を伺った。村人の大半が漁業に従事しているそうで、訪問した家にも獲れたての小魚が沢山あった。
 子どもたちは、この家から小さなボートを漕いで5~6人乗って通学する。午前中勉強した後、一旦帰宅し、昼食後再び登校するそうで、半日しか授業をしないカンボジアの小学校の中にあって
勉強熱心な子どもたちに心からエールを送った。

 問題は、小学校卒業後。同村には小学校しかないため、中学校へ進学する場合は陸に上がらないと通学が困難だ。陸に親戚などがいる子は通学可能だが、そうでない場合は小学校で勉強をストップせざる得ないそうだ。

 本会が主催する「第25回カンボジアふれあいの旅」でも11月1日に同小学校を訪問し、子どもたちに学用品を配布する予定。旅の参加者(25人)は子どもたちに会える日を、首を長くして待ち望んでいる。

2013年9月15日 根岸恒次(法人理事長)

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【子どもたちはボートを漕いで学校へ】

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