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2014年9月

2014年9月26日 (金)

小学校のない村に校舎を贈ろう

 9月16日、カンボジアのプレイベーン県、ポウティプルックサー村を訪問した。プレイベーンは、日本語に訳すと長い森という意味、日本では長野県、といったところか。小学校の校舎建設を希望している村があるという情報を聞き、早速その村を訪ねた。

 村に着くと、仮校舎で学ぶ子どもたち(約120人)が出迎えてくれた。そればかりか、村長さん始め村の人たちも沢山集まっていて、私たちを歓迎してくれた。校舎建設に関してまだ何の約束もしていないのだが、日本人が視察に来るということで、どうしてもお願いしたいという、村人や子どもたちの熱意が感じられた。

 村長さんによると、この地区にはポウティプルックサー村を含む3つの村があるが、小学校がなかったため、村の子どもたちは約7キロメートル離れた隣村まで通学せねばならなかった。これを見かねた村人たちがお金を出し合い、10年ほど前、牛小屋を改造して校舎を作った。先生は、近隣の小学校より派遣された2人の男性教師が午前中のみ、子どもたちを教えている。校長もいないため正式な小学校ではなく、分校に相当するのだろうか。

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【仮校舎に集まった村の子どもたち】

 しかし、牛小屋校舎も老朽化し、とうとう洪水で水没してしまったため今年の8月、再び村人たちがお金を出し合って現在の仮校舎を作り、急場をしのいでいる。しかし仮校舎なので、強風、大雨のとき、授業は中止されるそうである。

 近年、カンボジアは人口が急増しており、子どもたちが増え続けているものの、校舎や教師が不足していて勉強もままならない子どもたちが沢山いることが、今回の訪問でよく解かった。

 しかし、日本を始め諸外国の支援団体は、意外にも新設小学校には消極的だとか。要望にそって校舎を作っても、実際に使ってくれるかどうか分からないからだ。だから、校舎建設は老朽化校舎の建て替えがほとんど。それはそれで立派な支援だが、緊急性を考えれば、このような村にこそ支援が必要に思う。

 本会では、2003年から今に至るまで21の校舎を建設し、地元の村に寄贈した。現在、2つの校舎を建設中で、今年の11月と来年3月に完成する予定。
 まだまだ校舎を要望する村が多いので、関心ある方は是非当方に相談していただきたい。

           2014年9月30日 根岸恒次(法人理事長)

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2014年9月24日 (水)

9月のカンボジアはシトシト雨

 9月4日~19日、カンボジアを訪問した。この間、小学校校舎の贈呈式(1校)、小学校校舎の着工式(1校)、井戸の贈呈式(2校)、学用品の配布(1校)、夢ホーム訪問(数回)、数々のミーティングなどをこなし、20日に帰国した。

 9月も多くの日本人が、私と共にカンボジアを訪問してくれた。年々訪問者が増え、有難いことと感謝している。
 団体では國學院大學国際協力サークル~優志(27人)の皆さん、個人では里親会員の鈴木千雄さんと友人の大河原さん、小学校校舎を寄贈した佐々木テルさんと娘さん、國學院大學OBの菅井さんと兄の研一郎さん、鋳造によるアクセサリー作りの榎戸徹彦さん、里親会員の上山陽子さん、同じく里親会員の村上雄志さん。それぞれが訪問の目的を果たし、全員が無事帰国した。

 9月のカンボジアは、雨季のため一日おきに雨が降っていた。特にカンボジアには珍しく、日本のようなシトシト雨が続いた。晴れの日が少なく、朝晩はとても凌ぎやすかった。
 農村の人たちも、これで田植えができると喜んでいた。

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【水牛の世話をする子どもたち】

 政治も落ち着いてきた。昨年の7月に実施された選挙に不正があったとして、野党議員が国会をボイコット、約1年間、正常な国会が開かれていなかったが、国王の仲介もあり与野党が歩み寄った結果、8月から国会が再開した。毎週のように行われていた政治デモもなくなり、街は平穏を取り戻した。

 経済面では相変わらず高度成長中。首都プノンペンは建設ラッシュに沸いている。日本のイオンモールが6月にオープン、その後も、大型ショッピングセンターやコンドミニアム、大型ホテルが建設中で、数年後のプノンペンは高層ビルの街へと大きく変貌すると思われる。

 子どもたちへの教育支援を活動目的の一つとしている本会としては、気がかりなのは教育の遅れだ。
 今年は各地で洪水が多発しているそうで、カンボジア政府(教育省)は全国の小・中・高校に、新学期のスタートは11月1日からと各学校に通達した。(通常は10月1日)これにより3ヶ月間(8月~10月)の長期休暇となり、授業の遅れを心配している。国の発展には教育水準の向上が肝要と思うのだが。


           2014年9月25日 根岸恒次(法人理事長)

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2014年9月18日 (木)

カンボジアのスラム街について

 途上国といえば、スラム街やゴミ山で働く子どもたちをイメージする人が多い。
 カンボジアは国策で都市のスラム街を一掃し、住民を近郊に移住させているが、街の一角や川沿いなどにはまだ沢山のスラム街が残っている。

 カンボジア第2の都市、シェムリアップにも大きなスラム街がある。中心部から北へ5キロメートルほどの一角に、500世帯(約3千人)が暮らす、カンボジアでも最大級のスラム街だ。
 このスラム街で子どもたちに英語と日本語を教える無料の語学校を開設した、大房明良さんがスラム街の一部を案内してくれた。

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【大房明良さんと語学校の前で(右が大房さん)】

 このスラム街の住民の約4割を、プレイベン県やスヴァイリエン県など遠方から職を求めて移住してきた人たちが占めているそうだ。ここに住む人たちは、ゴミ拾いのかごを設備した自転車で市内を回り、売れるゴミを集めたり、バイクタクシーのドライバーをして日銭を稼いでいるという。

 ここで暮らす子どもたちは、ゴミ集めのお手伝いはするものの、近所にある小学校や中学校に通学していて、未就学の子はほとんどいないように見受けた。
 スラム街というと、アフリカなどに見られる悲惨な情景を思い浮かべる人が多いに違いないが、カンボジアのそれは意外に明るく、中に井戸も沢山あって比較的良好な環境の中での暮らしぶりのようだ。

 案内してくれた大房明良さんは2010年、バックパッカーでカンボジアを訪問、感じることあって2012年に支援活動を開始した。カンボジアのローカルNGOを立ち上げて無料の語学校を始め、今年の8月には、福井県に住む篤志家が学校の校舎を寄贈してくれた。現在、英語学級で200人、日本語学級で50人の子どもたちが、ここで学んでいる。
大房さんは、支援のための資金獲得策として旅行会社「チョルモイツアーズ」を設立、スラム街や近郊にあるゴミ山への案内をしているので、ぜひ利用してほしい。(カンボジアの電話=097-290-3851、日本の電話=080-6548―4552)

           2014年9月20日 根岸恒次(法人理事長)

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2014年9月16日 (火)

カンボジアのお盆はとても長い

 仏教国カンボジアでは、宗教行事を大切にしている。特にお盆の行事は、年中行事の中でも最大イベントである。

 私がカンボジア滞在中暮らしているアパートの近所にもお寺があって、朝(というより深夜)の4時頃から拡声器を使って大音量のお経や声明が流れ始める。日本なら安眠妨害で訴えられそうだが、カンボジア人は一言の文句も言わず早朝からお経を聞いている。文化の違いか信仰心の表われか。仏教徒ではない私には、良い目覚まし時計になった。

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【お寺で僧侶のお経を拝聴するカンボジアの人たち】

 カンボジア人の話しでは、小さいお盆と大きいお盆があって、小さいお盆は9月中ごろから始まり、国民のお寺参りが徐々に始まる。大きいお盆は9月22日~24日で、国が定める祝日にもなっている。(年により日が変わる)

 ほとんどの国民が仏教徒のカンボジアでは、お盆の期間中最低でも1度はお寺参りし、食料やお金を寺に寄進するのが慣わしだそうだ。

 その結果かどうか分からないが、カンボジアのお寺はとても立派だ。とても貧しそうな村でもお寺だけは金ぴかだ。カンボジア人の話しでは、お寺に寄付するため借金する住民もいるとか。その理由を聞けば、現世で施しなどの良い行ないをすれば、来世は幸せになれると信じて疑わないからだという。現在貧しいいのは、前世の行ないが良くなかったからだとも言う。

 そういえばカンボジア人を見ていると、物乞いにお金を恵むことが多い。これも、現世で徳を積むことが来世の幸福に繋がると信じての行為だろうか?

 いずれにしても、カンボジアの仏教は国民生活に密着しており、仏事は勿論のこと、結婚式も建物の起工式・完成式も、事ある度に僧侶が登場する。9月の旅でも、校舎や井戸の贈呈式でお坊さんに大変お世話になり、感謝している。

           2014年9月15日 根岸恒次(法人理事長)

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2014年9月 1日 (月)

37回を数える「カンボジアふれあいの旅」

 本会が企画・催行する「カンボジアふれあいの旅」は、11月の旅で第28回となる。
 実は「カンボジアふれあいの旅」のシリーズが始まる前に、旅行会社のJTBが主催して「カンボジア愛と感動の旅」を2001年~2004年の間に9回実施した。2005年から現在まで、本会自ら主催する「カンボジアふれあいの旅」となったが、「愛と感動の旅」から通算すれば、11月の旅は第37回となる。一回の旅で、平均15人前後が渡航しているので、延べ人数ではあるが、550人以上がカンボジアを訪問したことになる。

 旅行期間について、当初は4泊6日だったが、参加者の要望で途中から5泊7日(最終日は機中泊)になった。
 旅行の日程(メニュー)について、いわゆるスタディーツアーなので観光がメインではないものの、その国を知ってもらうため、カンボジアを代表する遺跡(アンコールワット)、プノンペン市内巡りなどをコースに組み入れ、オプショナルツアーとして実施している。

 しかし旅の売りは、ネーミングの通り「カンボジアで暮らす住民や子どもたちとのふれあい」(交流)である。小学校を訪問して、校舎・井戸・遊具などを贈呈した後に学用品を配布、そのあと、子どもたちと楽しく交流する。このほか、教育支援する里子の家を訪問、本会が運営する児童養護施設「夢ホーム」を訪問するなど、まさに「ふれあいの旅」の名に恥じない活動ぶりである。

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【「ふれあいの旅」に参加して子どもたちに学用品を配る鈴木智恵子さん】

 過去14年間、36回(7月まで)の旅を実施し、多くの参加者に感動を与えてきたつもりだが、ときに大失敗もあった。
 2003年の旅と記憶しているが、山奥の農村へ向かう途中で古い木造の橋を渡ることになった。バスが橋の真ん中に着いたところで橋が揺らぎ始め、あわや谷底に落ちる寸前、まず乗客を降ろして手前の岸まで誘導、バスはゆっくりとバックし、難をのがれた。あのときバスが落ちていたら、死傷者が出ていたかもしれないと思うと、思い出してもぞっとする光景だった。(その後橋は壊され、立派なコンクリートの橋になった)

 旅のメインイベントは小学生に学用品を配ることだが、現地スタッフのミスにより学用品の手配が遅れて配布できなかったことが2~3回あった。これもカンボジアならではのこと。
 現地の旅行会社のミスも多々あった。お昼のお弁当を担当者がうっかりバスに積み忘れたため、やむなく昼食抜きで活動し、お腹がすいたので早めにホテルに戻ったことも。
 とにかく、これまで大きなトラブルなく実施できたことを感謝している。旅に参加してくれた大半の方々は紳士的で旅行のマナーを熟知し、和気あいあいの旅だった。

 海外旅行には何らかのリスクがついて回る。70年ぶり、国内で発症したデング熱もカンボジアでは日常的に発症しており、マラリアに罹るケースも。盗難も多く、要注意。
 しかし、だからといって海外へ出向かないと、まさに「井の中の蛙」になってしまう。まずは最善の備えをした上で、行ってみることだ。


           2014年9月10日 根岸恒次(法人理事長)

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