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2015年1月15日 (木)

国際協力60年に思う

 日本の途上国援助(以下、ODA)で、これまで厳しく制限してきた他国軍への支援を解禁することを定めた「開発協力大綱」を閣議決定すると聞いた。支援の対象を非軍事分野に限定するとはいえ、その国の考え方次第で軍事転用される可能性がある。

 そもそも、日本もかつてはODAの受け入れ国だった。荒廃した戦後の日本に対し、1946年から1951年の間に、アメリカから約50億ドルが拠出され、朝鮮特需とあわせて日本の早期復興に役立った。

 他国からのODAにより復興した日本が、今度は支援する側に立った。最初の形態は戦後賠償の一環として、特に日本が戦争で迷惑をかけた東南アジア諸国を中心に、無償援助が行なわれた。 
 1954年、ビルマ(ミャンマー)への無償援助が最初のODA、つまり国際協力元年だ。勿論カンボジアにも無償援助した。

 その後、日本のODA予算は増え続け、1989年にはアメリカを抜いて世界1位の拠出国となったが、景気が落ち込むとともにODA予算も減少していき、世界で5番目に落ちてしまった。それでも、国の借金が1000兆円を超えるというのに、相当な予算を途上国支援に使っている日本に対し、東南アジアの国々はとても感謝している。

 カンボジアにいても、100人中ほぼ全員が日本に好印象を持ち、ODA支援と私たちのような民間支援を心から喜んでいる。今年は、ベトナムに通じる国道1号線のメコン川に日本のODAで大きな橋が完成する。この種の工事は日本企業が落札することが多いことから、ひも付き援助と揶揄されているが、下請けとして現地企業を沢山使っていることも大きい。

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【日本の無償援助で完成したきずな橋は、カンボジアの紙幣(500リエル)に印刷されている。】

 先の大戦を反省し、戦後賠償としてスタートした日本のODAであるにもかかわらず、初心を忘れ、支援が軍事転用されかねない閣議決定がなされるなら、声を大きくして反対する必要がある。ODA=平和な国造りという構図が崩壊することになるからだ。

 勿論、自国を守るには軍隊も必要だ。近年、日本を取り巻く周辺国からの威嚇が頻発する中、非武装をうたった平和憲法がありながら自衛隊が存在するのもうなずける。

 しかし大事なことは、世界に友人を作ることではないだろうか。戦後70年、ひたすらODAや民間による国際協力によりわが国が信用され、多くの友を得たことも事実である。
 昨日の敵は今日の友、持ちつ持たれつ、多くの国から信頼される国になりたいものだ。

          2015年1月19日(月) 根岸恒次(法人理事長)

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