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2015年12月16日 (水)

入学より卒業するのが難しいカンボジアの高等学校

 カンボジアの教育制度は日本と同じ6・3・3制で、最初の9年間(小・中学校)は義務教育となっている。このことは憲法にも規定されているが、就学率は小学校が69%、中学校に至っては17%と低くなっている。(2011年調べ、外務省のHPから)

 さらに高校になると、2011年の就学生徒数は学齢期人口の10%にすぎないという統計がある。高校の数もカンボジア全土で約350校と少なく、多くが都市部に集中している。

 狭き門の高等学校だが、更なる難問が発生した。カンニング問題である。
 カンボジアの高等学校では、卒業時に国家試験を受ける。この試験に合格しないと卒業証書がもらえないため、大学に行くことも叶わなくなる。そのため、事前に試験問題が漏洩したり、試験の監督者に賄賂を渡してカンニングを見逃してもらうなどの不正行為が横行し問題になっていた。

 日本の文部科学省にあたる「教育・青年・スポーツ省」は、こうした不正行為を撲滅するため取り締まりを強化したところ、昨年の合格率は25%に激減、今年は少し改善されたものの、55%にとどまった。(受験者数=8万3千人、合格者数=4万6千人)

 カンボジアの高校の必須科目は、国語・数学・歴史・生物・英語(またはフランス語)・化学など。体育・芸術などの選択科目があるが、設備や教材が不足していて、行われていない高校が多い。
 授業は午前・午後の2部制になっており、どちらかの時間帯を選ぶ。午前が7時~11時、午後が1時~5時。学習時間が少ないので、生徒たちは空いた時、塾に通って補講している。

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【高校3年生になった夢ホームのトンヘアン君(ソカーポリー高等学校)】

 こうした学習環境を考えると、いかに努力しようとも生徒の学力向上を期待することは酷に思える。カンニングなどの不正行為は許されないことだが、国家試験のハードルをもう少し下げてあげないと、結果的に高校生の意欲が削がれることになってしまうだろう。

 若い人たちが夢を持ち、努力が報われるカンボジアの教育制度であってほしい。

          2015年12月28日(月) 根岸恒次(法人理事長)

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