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2018年8月31日 (金)

       「カンボジア孤児院ビジネス」を読んで

 昨年7月に初版が発行された「カンボジア孤児院ビジネス」(岩下明日香著、潮出版社)を拝読した。カンボジアの孤児院について詳細な実態がレポートされていて、なかなか読み応えある本だった。
 
 本会も、カンボジアのコンポンスプー県で児童養護施設「夢ホーム」を運営しており、興味と関心をもって読ませて頂いた。
 
 同書によると、2011年、ユニセフ・カンボジア事務所とカンボジア政府・社会福祉省が、カンボジア国内における児童養護施設数と、入所児童数を公表した。              
 
 報告によれば、2005年に154あった児童養護施設数が、2010年には259に増加している。たった5年間で、75%も施設数が増加した。それに伴い、入所児童数も、6254人から、1万1945人に増えていることが明らかになった。
 
  さらに、施設に入所する子どものうち、両親、または片親がいない子は、23パーセント(77%は両親がいる)であることも分かった。
 
 その後、2014年から2015年にかけて行われたカンボジア全土に及ぶより詳しい調査によって、全体数639施設が確認され、計3万5374人が入所していることが確認された。
 
 これらの多くが、観光地シェムリアップや首都プノンペンに集中しており、外国人観光客の訪問先になっている。そこで子どもたちは踊ったり観光客と交流したりして、寄付金を得ることで孤児院経営が成り立っているという。子どもたちが商売道具にされているわけだ。
 
 ポルポト政権が崩壊して40年、内戦が終結して25年以上経つカンボジアには、もはや孤児はほとんどいない。にも拘わらず孤児院が急増しているという、首をかしげる実態がある。
 
 このように、子どもたちの人権がないがしろにされている実態は、カンボジアの子どもたちを真摯に支援している本会にとって、決して看過できない問題である。
 
 まずは今後、問題となっている悪質孤児院を訪問するなどして実態の把握に努め、会としての対応を模索していきたい。
         2018年8月31日(金)       根岸恒次(法人理事長)
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